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「余所者視点」のグローバル教育

スタートアップJr.事務局の長竹です。

先回のブログで、シビックプライドについて触れさせていただきましたが、地域おこしに必要な視点としてよく挙げられるのが「余所者、若者、馬鹿者」という3つのキーワードです。

要するに

①当の地域に住む者ではない外部からの視点

②若者の自由で柔軟な発想

③常識にとらわれない(いい意味でcrazyな)発想

ということです。

そこで今回はこれに倣い「余所者視点のグローバル教育」というテーマで、日本の中学校・高校におけるグローバル教育について、個人的に思うところを述べさせていただきます。

文部科学省が<国際的に活躍できるグローバル・リーダーを高校段階から育成する>ことを目的としたスーパーグローバルハイスクール制度を開始して丸6年、その影響もあると思いますが、高校卒業後に海外の大学を目指す生徒が増加傾向になってきているようです(コロナ禍が今後どう影響するかはわかりませんが…)。

あらためて私立中学、高校のグローバル教育の取り組み内容を検索してみると、国際バカロレアの認定なども増えてきているようではありますが、

・英語教育の充実

・交換留学など海外校との連携

・第二外国語の学習

といった類が多く見受けられます。

もちろん、国際的に活躍できるグローバル・リーダーを目指すとなれば、まずは語学を習得していないことには如何ともし難いため、何より優先されるべきものであることは自明の理ですが、一方でそれだけでいいのだろうかという疑問も覚えます。もし、それらの他に学ぶべきものは何かと問われれば、個人的には宗教と地政学を挙げます。

宗教と言っても、もちろん特定の宗教の教えを学ぶというようなことではなく、「現代社会の中で宗教がどう世界の政治や経済に影響しているのかを識る」ということです。

なぜなら、その理解なしに世界で起きている様々な事象を深く洞察することは難しいと思うからです。

例えば、アメリカの建国から経済的繁栄、そして現在の分断に至るまですべて宗教が起因していますし、中国のチベット自治区や新疆ウイグル自治区をはじめとする様々な人権問題も根底にはそれが絡んでいます。

ヨーロッパも当然ながら単純な一枚岩ではなく、東西、また南北でキリスト教の宗派が異なりますが、そこから生じる国民性の違いは、政治や経済にも影響を及ぼします。かようにグローバル・リーダー育成以前の問題として、国際社会の正しい理解、国際情勢の把握、またダイバーシティの観点からも最低限の基礎的な知識は得ておくべきではないかと考えます。

加えて、今までの論点から若干逸れますが、国際的に活躍するグローバル・リーダーともなれば、有識者との会話に美術・芸術の話は教養として欠かせないものになってくると思われます。その際に、宗教や宗教観をバックボーンとした中世の西洋絵画(そもそもキリスト教を伝える「メディア」としての本来的機能を有している)などの作品を正しく読み解き、理解するためにも基礎的な知識は必要不可欠なのではないでしょうか。

地政学に関しても、どっぷりと学ぶということではなく、その学術的視点や思考法を基に、俯瞰して世界を捉えるマクロ視点を身につけることが重要だと思います。とどのつまり、それがグローバル・リーダーにとって欠かせない資質だからです。

充実した英語教育や海外への留学を基軸としながら、わずかな時間でもそのような学びを採り入れていくことが、真のグローバル・リーダーの輩出につながるのではないかと余所者としては考える次第です。

スタートアップJr.事務局 長竹直哉