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大学生就活の観点から考える、小中学生でやっておいてほしいこと

株式会社バリューズフュージョンの羽田と申します。

スタートアップJrでのガイドや、一年に一度の大会、スタートアップJrアワードのプロデューサーを務めています。

私は前職のマイナビ時代、高校生や大学生のキャリア教育事業の立ち上げ責任者を担当していました。また複数の大学の講師業や大手メディアでのコラム連載、政府の政策提言委員なども経験してきました。現在はマイナビを退社して起業し、学生や社会人向けの複数のキャリア関連の事業、プロダクト開発に関わっています。

そしてこのバリューズフュージョンでは、小中学生向けのキャリア教育サービスの事業開発に関わっています。

これまでの経験から、私は多くの大学生の就職活動や企業の新卒採用に関わってきました。そんな立場から、なぜ私が小中学生向けのスタートアップJrに関わっているかをお伝えいたします。

■社会の仕組みと求められる人材像が変わった

ここで今更私が述べるまでもなく、社会で求められる人材像が変わっています。簡単に言ってしまうと「自ら動いて答えのない問いに取り組める人」「デジタルを使ったソリューションが生み出せる人」。企業が特に求めているのはこの2点です。

この二つは、学校の試験勉強のように対策をしてなんとかなるものではありません。普段の日常生活から当たり前のようにこなして身に染み付いた思考・行動パターンになっていなければなりません。そしてそれにはある程度長い時間が必要です。

ただ残念ながら多くの大学生はこれらが苦手です。小学校の頃から答えのある問題の解き方と暗記問題をひたすら詰め込まれてきたからです。そして就職活動になってから初めて社会から求められるものを痛感するー・・・。

毎年こんな学生を見ています。だから、もっと早い小中学生の頃から答えのない問題に考える習慣をつけてほしいと、切に願っています。

もちろん、教育機関も変わろうとはしていますが、さまざまな制約があるのでそのスピード感はビジネス環境のスピード感と全く異なります。また従来の教育が全てダメというわけではなく、頭の使い方や物事の考え方の基礎を固める上で大切なのは間違いありません。

そうなると、「これまでの教育は行いつつさらに別の教育を行う」ということになります。ただでさえ多忙な小中学校の先生方にはこれはきつい話でしょう。

学校ではクラスというコミュニティを生かした教育を行いつつ、民間企業が学校ではサポートできない領域をご支援できればいい。そう考えています。

■自己効力感が低い大学生は本当に多い

そしてもう一つ大きな問題がこれです。人生において新しい環境へのチャレンジや自分の身の丈以上の背伸びをする挑戦はつきものですが、そうした挑戦をする際にベースとなるのは”自己効力感”です。自分を肯定してあげること、自分を信じてあげること、平たく言えば”自信”ですね。

ただ、この自己効力感がない大学生が本当に多い。彼彼女たちは自己評価が低く、自分が何かをできるとは思っていません。なので、未知なるものに対する挑戦(それがどんなにハードルが低いものでも)に一歩踏み出そうとはしませんし、言われたことはこなせるけれど何かに当事者を感じて取り組むことがありません。

そして前述した通り社会で求められる人材像が変わってしまった今、そうした学生は就活以降のキャリアで苦労することが多いのです。

ではなぜ自己効力感が低いのか。それは「何かを乗り越えた経験がないから」です。なんでもいいので自分なりに何かを乗り越えた原体験を持っている人は、何か壁にぶつかってもなんとか乗り越えていけるものです。しかしその原体験がないと壁を乗り越えることすらしない。そしてその原体験は早ければ早いほどいい。年齢を重ねるごとに新しい挑戦をするハードルは高くなっていくからです。だから、小中学生から取り組んで欲しいのです。

小中学生の頃に乗り越えた経験があれば、その後の人生でも自走できる馬力がつくはず。人間は誰でも未知なるものは怖いものです。でも一度乗り越えたことがある人なら「なんとかするしかないな」という感覚で最初の一歩を踏み出せるのです。

■難しいことは考えなくていい。楽しく少しずつ学ぼう

私がバリューズフュージョンの事業に可能性を感じるのは、小中学生という人生経験がまだ多くない時期の子供達にキャリア教育を及ぼせるからです。特に小学生は自己効力感の塊。なぜならばそもそもの経験値を持っておらず、面白そうなものにはすぐに飛びつくからです。

幼い頃からビジネス経験を楽しく学ぶことで、小さな自己効力感を与えることができます。そしてその連続で、彼彼女らは大きくなっても自ら壁を乗り越えていくことができるようになるのです。

小難しいことは考えなくていいから、「やってみたらできた」という体験をもっとして欲しい。そんな機会がもっと増えるために、活動をしていきたいと思っています。